読ませる文字は、内容を理解するために必要な文字です。読ませない文字は、この講座では読解を必須にしない装飾文字を指します。今日は、SNS画像の中で二つの役割を分けられれば十分です。
架空の「秋の読書会」の画像では、会名、日時、場所、参加条件、次の案内は読ませる情報です。これらを小さくしたり背景へ溶け込ませたりすると、案内の内容が欠ける場合があります。
背景の大きなBOOKという英字は、本に関する印象を添える形として使えます。意味を読み取らなくても、会名や条件から案内が成立するなら、今回のBOOKは装飾として扱えます。単に読みにくい文字を置くこととは区別します。
また、装飾として使う英字にも意味があります。実際に読まれたとき、内容と矛盾する言葉や関係のない言葉になっていないか確認します。
写真と情報の位置をそろえた三案です。図の写真部分は模式図です。A案のBOOKは濃く大きく、会名と競い合う設定です。何の案内かを示す会名より、装飾へ注意が向く可能性があります。
B案はBOOKの位置と大きさを保ち、色を淡くしています。主に変えたのは装飾文字の濃さです。会名の濃さを保ったまま、背景の形と読む情報の役割を分ける意図があります。
C案はBOOKを省いています。写真と会名だけでも内容が伝わるなら、装飾を使わない構成も選べます。装飾の有無を正解にせず、何を補いたいかと、必要情報への影響から判断します。
迷う文字を指で隠し、伝わる内容が変わるかを見ます。BOOKを隠しても会の内容と開催条件が残るなら、今回の案では装飾です。開催日の数字を隠すと日付が分からないので、その数字は情報です。
この方法から、文字の大きさや言語では役割が決まらないと分かります。海外の人へ英語の会名を伝えるなら、その英語は情報です。大きな「無料」も、参加条件を伝えるなら読ませる文字です。
情報を装飾と呼び替えて省略するのではなく、見た人の理解に必要かどうかで分けます。条件が変われば、同じ言葉の役割も変わります。
会名と日時はどちらも情報ですが、同じ強さで並べる必要はありません。会名を入口として大きくし、日時と場所は近くにまとめ、読める大きさを確保する構成が考えられます。
文字の線の太さをウェイト、文字の形のまとまりを書体と呼びます。会名をやや太くする案、形に特徴のある書体を見出しへ使う案などを比べます。ただし、実際の言葉と数字を入れ、小さく表示しても区別できることを先に確認します。
装飾で使った淡い色や細い線を日時にも適用すると、必要な情報が見えにくくなる場合があります。印象をそろえることと、役割に応じて読めることは、両方確かめます。
装飾だけを大きく表示して判断せず、写真と会名を含む全体で比較します。B案でも装飾が主役より強く見えるなら、濃さ、位置、省略のいずれかを一つ変えて確認します。
紙とペンでは、会名と日時の後ろに薄くBOOKを書き、その部分を紙で隠した状態と比べます。文字を加工する操作を覚える前に、何のために残すのかを説明できることが大切です。
文字の役割は、大きさや言語ではなく、理解に必要かどうかで分けます。次回は画像一枚から投稿全体へ広げ、次に見る場所までつなぐ方法を考えます。
64歳からデザインを学び始め、現在はWebと印刷物のデザインを制作しています。このシリーズでは、デザイン経験がない方にも分かる言葉で、デザインの基本と作り方をお伝えします。
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