デザインとは

「デザイン」という言葉はファッションデザイン、WEBデザイン、インテリアデザインなど普段そこそこ耳にする言葉です。「design」を辞書で引くと、最初に「意匠」と出てきます。「意匠」は「物品の外観を美しくするため、その形・色・模様・配置などについて、新しい工夫を凝らすこと。その装飾的考案。」という意味で、服飾や画像、家具などを綺麗に新しく作ることとイメージできます。

「デザイン」がつく言葉にはサービスデザイン、デザイン思考、デザイン経営などもあり、「意匠」と訳すと意味がつかみにくくなります。辞書には「設計」という訳もあります。こちらをあてはめると先の言葉も腑に落ちます。

普段なにげに使っている「デザイン」という言葉。本来はどのような意味を持つのでしょうか。

デザインとは

デザインと聞いてまず思い描くのはファッションデザイン、WEBデザイン、インテリアデザインなどの言葉です。特にファッションデザインはテレビCMなどでもよく出てくる言葉です。一流の服飾デザイナーがパリコレの衣装デザインをする。綺麗で斬新的な形を作る。というイメージに繋がります。斬新的な形状表現という意味では「アート」と類似語のように見えます。

では「アート」と「デザイン」は何が違うのでしょう。自分の中にあるものを形として表現する。他に類を見ないものを作る。というところは共通しているように見えます。「アート」には、それに加え「芸術性」が付きます。「アート」は他人に認められようが認められなかろうが、制作者が持つ感性や情熱などを「具現化させる」ことが目的です。「デザイン」は逆に、人に訴えかけられるものを制作することが目的になります。他人が価値を見出せるものを制作すること、そのために設計することが「デザイン」と言えるでしょう。

デザインの語源

「デザイン」の語源は、ラテン語の「designare(デジナーレ)」です。この言葉には「線を引く、描く」「記号に表す」という意味があり、絵を描くことの「dessin(デッサン)」も同じ語源です。

「designare」は「de-(下に)」と「sign(印)」を語幹としており、「下地を描く」「計画を記号にあらわす」「設計する」という意味になります。

「デザイン」という言葉は、英語圏では「計画に形を与えること」を原義としており、工学的な設計の意味も含まれていました。20世紀の初頭にインダストリアル・デザイナーという職業が成立したころには、狭義に意匠の意味でも用いられるようになりました。

日本では、図案・意匠などと訳されて、単に表面を飾り立てることによって美しくみせる行為と解されるような社会的風潮もありましたが、最近では語源の意味が広く理解・認識されつつあります。

デザインは伝えるもの

デザインの語源は上記のように「意匠」と「設計」の意味合いを持ちます。なぜ設計をしなければいけないのでしょう。単純に意匠であれば、自分が良いと思うものを創れば良いのにです。例えば家族や友人のお祝い事にプレゼントする時にしている行動はデザインに近いものがあります。相手が今何を欲しているか、間接的に情報を得たり直接的にヒアリングしたりして相手が喜ぶ条件を分析しそれを基にプレゼントを用意しているのではないでしょうか。相手に喜んでほしいという気持ちで用意したプレゼントには、その気持ちを伝えるメッセージが含まれます。

デザインは他人に受け入れられること喜ばれること価値を与えることを前提として計画され意匠化されます。他人に欲しいと思わせる服や家具、WEB画像などを作る前に、ターゲットの好みやマーケットの動向などを下調べする。どのようにしたら興味を持ってもらえるか、購入してもらえるかを調査する。それを形にするための設計をする。設計を基に形にするような手を動かす作業もデザインと呼ばれます。

「デザイン」は新たに商品を作り出す時、商品を刷新する際に必要とされる技術であり作業です。特に多数のユーザーに訴求したい場合にデザインされることが多いでしょう。デザインの前提条件を明確にし、それに合わせてデザインすることが大事です。

デザインすることとは

デザインするには、ターゲットを明確にすることが大事です。見る人、使う人はどのような人なのか。性別。年代。社会的ステータス。など。ターゲット層を明確にすることで、どうのようなデザインにするか方向性が変わります。子供向けのものを大人が好む色・形にしたら、多くの子供たちの興味を惹けません。

デザインするものの特徴を知ることも大事です。フォーマルなものなのか、カジュアルか。高価か、安価か。大量販売か、限定販売か。イベントで売るのか、グランドメニューとして売るものか。季節販売か、通年販売か。これによってデザインの特徴を調整する必要があります。例えば冠婚霊祭用のスーツを赤や黄色を使った派手なスーツにすると、たぶん誰も買わないでしょう。

マーケットの状況も検討する必要があります。過去どのようなものが売れていたか。現在売れているものの特徴。将来的な方向性。これらを検討します。スマホ全盛の今、ガラケーをデザインしても収益は上がりません。デザインは収益の向上を目的としすることがほとんどです。

まとめ

デザインは販売するもの、個人・組織の収益を向上するものが対象になります。デザインには必ずターゲットが存在します。ターゲットを無視したものはデザインとは言えません。ターゲットにいかに訴求するか設計し形作ることがデザインです。

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