インターネットですべての情報が得られる時代において、WEBサイトを作ることは企業や商品・サービスの認知度を高めるために不可欠な要素となりました。
WEBサイトは企業の顔となり、オンライン上での存在感や信頼性を築くために重要な役割を果たしています。
その中でも「WEBデザイン」は、第一印象を左右したり、サイトへの流入性が高くなったりと、成功への道を切り開くために不可欠なステップです。
Webデザインとは?
Webデザインとは、インターネット上に公開されているWebサイトやアプリなどの見た目・使い勝手を設計するプロセスを指す言葉です。どうすれば利用者に見やすく使いやすいWebサービスになるかを考え、デザインを設計します。
グラフィックデザインとの違い
Webデザインとグラフィックデザインでは、設計する対象や求められるスキルが異なります。
ポスターやチラシ・カタログなどといった印刷媒体が設計の対象となるグラフィックデザインに対し、WebデザインはWebサイトやアプリなどのデジタル媒体が設計の対象になります。
Webデザインではパソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどあらゆるデバイスに対応した見た目や使い勝手の設計が必要です。タップやスクロールなど、Webサイトやアプリ内で利用者が起こす行動を踏まえたデザインの設計が求められるため、情報の伝達をメインとするグラフィックデザインとは設計時の考え方や必要となるスキルも異なります。
WEBデザインの目的
WEBデザインは見た目に関わる部分の制作ですが、見た目の美しさに加えて、情報を正確に分かりやすく提供し、ユーザーの課題解決に貢献することが目的です。
ユーザーがWEBサイトに訪問するのには「理由」があります。
それは、何か情報収集しているのかもしれませんし、商品の購入を検討しているのかもしれません。
すぐに欲しい情報が見つからなかったり、商品購入までのフローが複雑で分かりづらかったりすると離脱率が上がります。それは良いWEBデザインとは言えません。
WEBデザインの重要性
では、良いWEBデザインとは何でしょうか?
コーポレートサイトであれば、商品・サービスの紹介や企業情報、採用情報、コラムなどカテゴリごとに情報分けがしっかりされていること。詳細な情報が分かりやすく掲示されていること。
ECサイトであれば欲しい商品の情報が見やすく整理されていて決済画面までたどり着きやすい設計などが挙げられます。
このように、ただ見た目の良いサイトを作るのではなく、サイトの目的にあったユーザーに伝わりやすいWEBデザインが重要となります。
伝えたいことがデザインやキャッチコピーに反映されていることで、ユーザーとの認識の齟齬がなくなり、ミスマッチが少なくなります。
効果的なWEBデザインとは
WEBデザインの重要性や目的について分かったところで、効果的なWEBデザインを制作していくためのポイントを3つご紹介します。
予め知っておくことで、クライアントと良いパートナー関係を築きながら満足のいくデザインを実現することができます。
- ユーザビリティ
- レスポンシブデザイン
- 視覚的な魅力
1.ユーザビリティ
WEBサイトの使いやすさは非常に重要です。ここでの使いやすさとは、情報の見つけやすさや目的達成のしやすさを指します。
『WEBデザインの目的』でもありますが、サイトに訪問したユーザーには目的があります。 直感的に分かるナビゲーションや情報がわかりやすいレイアウト、お問合せ・購入に繋がりやすいボタンなど、使いやすいサイト設計もWEBデザインに含まれます。
2.レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインとは、PC・タブレット・スマートフォンなど複数のデバイスの画面サイズに対して、レイアウトやデザインが崩れないように調整することです。最近のWEBサイトのほとんどは、このレスポンシブデザインになっています。
各デバイスの画面サイズに最適なデザインに調整することで、WEBサイトに訪れたユーザーの第一印象が良くなり、興味関心を高めることができます。特に最近ではスマホで閲覧する人がほとんどのため、スマホでどう見えるかが最重要となります。
クオリティの高いWEBサイトを制作するには、PC・タブレット・スマートフォンそれぞれのデバイスで見た時のデザインも丁寧に確認していきましょう。
3.視覚的な魅力
視覚的に魅力のあるデザインは、WEBサイトの第一印象を決めるものです。
サイトの目的にあった配色、バランスの良いレイアウト、適切なフォントの組み合わせ、文字の強弱、読みやすさ、目を引く画像やグラフィックスを使用することで、WEBサイトに訪問したユーザーの興味を引きページ滞在時間の延長が望め、結果的にお問合せなどの成果に繋がりやすいWEBサイトになります。
WEBデザイン制作の流れ(制作者側)
WEBデザインを制作する際の流れをご紹介します。
ディレクション〜完成までの流れをご紹介
- 前提条件定義(ヒアリング・打ち合わせ)
- ワイヤーフレーム(サイトの骨組み)作成
- デザイン作成
- 納品
1.前提条件定義(ヒアリング・打ち合わせ)
デザイナーがWEBデザインの制作に入る前に、ヒアリングを行って前提条件を決めていきます。会社にもよりますが、初回の打ち合わせや要件のヒアリングには「ディレクター」という専門の担当者がいます。
どのような要件を決めていくかは、下記のような項目が挙げられます。
コンセプト/WEBサイト・画像制作の目的/ターゲット(ペルソナ)/WEBサイトの構造/ビジュアルイメージ など
クライアントとの打ち合わせに入る前に、事前に聞いている前提条件とヒアリングする要件をまとめておくとスムーズに進みます。
デザイン制作に方向性を定義できる情報を得ることが必要です。
2.ワイヤーフレーム(ドラフト・サイト構造)作成
前提条件が決まったら、画像の場合はドラフト案、サイトの場合はサイトマップをもとにワイヤーフレームを作成します。
サイトマップとは、WEBサイトの階層構造を示した構造図です。情報をカテゴリごとにグループ分けしていくことで、回遊しやすいサイト設計になります。
画像の場合は、前提条件に合わせたドラフト案を制作します。ドラフトなしで進める場合もあります。
サイトの場合は、サイトマップをもとに、ページのレイアウトを決めていきます。これがワイヤーフレームです。
ターゲットのニーズを考慮し、悩みや疑問を解消するために必要なコンテンツ・情報に抜け漏れがないかしっかり確認して進めて行きます。
3.デザイン作成
画像の場合は、ドラフトを基に制作にかかります。サイトの場合、サイト全体の設計が終わったらワイヤーフレームに沿って、実際の完成図となるWEBデザインの制作に入ります。
『1.前提条件定義(ヒアリング・打ち合わせ)』で入手したビジュアルイメージを参考に、オリジナル性溢れるサイトデザインをデザイナーが作成していきます。
素材はクライアントが用意することが多いです。必要に応じて、制作者側でも画像や動画などの素材集めが必要になります。
クライアントの動きによってもデザインの進捗度合いは変わるため、タスクが発生したら適宜確認していくようにします。
デザインは1回目の提出で終わりではなく、制作スケジュールの範囲内でブラッシュアップを重ねて仕上げていきます。kライアン都側にデザインに関する要望がある場合は、このフェーズでしっかり伝えてこまめに認識をすり合わせていきます。
4.納品
クライアントに制作品を提示し、納得いただいたら納品です。この段階で修正依頼があれば修正します。このため、納期の前に納品する姿勢が大事になります。途中経過を逐次報告することもスムースな納品に繋がります。
依頼者側がWEBデザインを依頼するときに準備しておきたいこと
絶対必要!とまではいきませんが、準備しておくと制作会社との打合せでしっかり伝えることができ、完成品とのミスマッチが少なくなります。
ぜひ、これからご紹介するものを依頼前に考えておきましょう。
1.なぜWEBサイトを制作したいのか目的を整理する
イメージ通りのWEBデザインを納品してもらうためには、「なぜ制作を依頼をするのか」「サイトを制作して何を達成したいのか」を明確にしておく必要があります。制作の目的をはっきりさせておくとその後の進行にブレが出ることを防ぐことができます。
単にサイトを作ってみたい・デザインを変えたいというあいまいな目的では、サイトの仕上がりイメージをデザイナーに伝えきれません。その結果、納品物のクオリティまで下がり、サイト訪問者の離脱に繋がる可能性もあります。そのため、「WEBからの新規問い合わせ数を今より120%増やす」など、できるだけ具体的な目標を立てておくことが大切です。
しっかりと目的や目標を明確にしておくことでサイト内に必要なコンテンツやデザインの方向性も明確になり、デザイナーに具体的なイメージを伝えることができるようになります。
2.自社の今後のビジョンを明確にしておく
サイトをつくる際、やはり見た目の部分もこだわりたくなりますよね。
ただ、ひとつ頭に置いておいてほしいのが、なんとなくかっこいいからという理由でデザインを決めたり、ただやみくもに流行している色遣いをしたりするのは、企業やサービスのブランディングを考える上で、あまりよろしくないということです。
コーポレートサイトに載っている内容にその企業らしさや存在意義が書いてあることが大切なのと同じように、デザイン面にもその企業らしさがあるかが、その企業の信頼を積み重ねる上で重要です。
WEBデザインを制作する際には、情報の届け先となるユーザー像を明確にし、ブランドイメージを決定して、それに合わせたデザインを作成していきます。
ビジョンを明確にしておくことで強みや特徴を正しくアピールできた理想通りのデザインを制作することができるようになります。
3.ターゲット層を確認しておく
サイト制作時に重要になるのが「誰に」「何を」伝えるのか?です。 では、なぜわざわざWEBサイトを作成する前に、ターゲット設定をすべきなのでしょうか?
ターゲットを設定する一番のメリットは、サイトの方向性が定まり、どんなコンテンツを作るべきなのかがハッキリすることです。
大多数に向けたものではなく、狙ったユーザーに対してアプローチをかけることが可能なため高確率なコンバージョンを狙うことができます。
また、依頼者と制作会社での方向性のズレを防ぐことが出来るようになり、サイト全体のクオリティを高めることができるようになります。特に複雑な大規模サイトやECサイトになると、制作が進んでいく中で方向性にズレが生じてしまうことがあります。しかし、具体的なペルソナ(ターゲット)があれば、規模が大きくなり制作にかかわる人数が増えた場合でも共通のイメージを持ち、制作に取り組むことが出来ます。
4.ゆずれないこだわりを精査する
画像・サイト内に絶対に入れたいコンテンツ・絶対に譲れないポイントがあれば、早めに制作会社に伝えるようにしましょう。
一般的にサイトを作る際は、前提条件定義→ドラフト・ワイヤーフレーム→制作→公開の流れで進んでいきます。サイト制作における「制作着手後のデザイン修正」というのは、「ゴールへ向かっている途中でゴールへのイメージを変更すること」になります。
写真の差し替えやテキストの変更など軽微な修正は問題ないことがほとんどですが、コーディング着手後に「もっとスタイリッシュなデザインにして」「やっぱりこの要素を追加したいのでイチから作り直してください」のようなお話になればコーディング作業をすべてストップして、デザインをやり直す必要が発生します。
また、依頼者と制作会社での方向性のズレを防ぐことが出来るようになり、サイト全体のクオリティを高めることができるようになります。特に複雑な大規模サイトやECサイトになると、制作が進んでいく中で方向性にズレが生じてしまうことがあります。しかし、具体的なペルソナ(ターゲット)があれば、規模が大きくなり制作にかかわる人数が増えた場合でも共通のイメージを持ち、制作に取り組むことが出来ます。
そのようなブレを少ないものにするためには、ゆずれないこだわりを事前にしっかり共有しておく必要があります。
まとめ
WEBサイト制作を依頼する時に知っておきたいWEBデザインの基本知識や重要性をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
サイト制作において、SEO対策やWEBマーケティングの方が重要だと考える方も多いかもしれませんが、デザインや設計においても考慮しておくべき点はたくさんあります。
なぜなら、WEBマーティングやSEOに特化したサイトを制作して訪れる人が増えたとしても、WEBサイトのデザインが自社の魅力を明確に伝えられていないと離脱率も上がってしまうからです。特にビジネス用途のサイトであれば成果につながらないというクリティカルな危険性に繋がってしまいます。
WEBサイト制作は、業者選びによって、その後の成果が大きく左右されてしまうので、今回ご紹介したポイントを参考に自社の目的にマッチする制作会社をしっかり選定して、プロジェクトを成功させましょう。